計画班A01-P02
「顔と身体表現の多文化比較フィールド実験研究」
研究の概要
東洋(東アジア)対西洋(北米・西欧)という対比により、文化心理学はその理論を高度に発展させてきた。しかし世界規模で文化・地域を見渡したとき、東洋と西洋の文化環境には共通点も多く、文化の多様性のごく限られた範囲のみを取り扱っているという限界もある。また現代では交通手段とICT環境の発展により、対面、オンライン問わず、東洋西洋圏を越えてグローバル規模の人的交流が急速に増えている。文化の多様性をグローバル規模で理解して、そして現代のトランスカルチャー状況に貢献するために、東洋西洋圏を越えた多文化比較研究が必要である。
本計画班では、実験研究を専門とする心理学者とフィールドワークを専門とする霊長類学者、人類学者らのコラボレーションにより、フィールドの中に持ち運び可能な心理実験システムを構築する。 顔や身体表現からどのように感情を認識するのか、顔や身体表現によりどのように感情を表出するのか、という感情認識と表出の顔身体学を主な研究ドメインとして、東アジア・東南アジア、東西アフリカ、南米、西欧、北米など世界中のフィールドで再現・定量可能な実験を実施する。以上のフィールド実験を土台に、定量的検証と人類学的解釈を積み重ねて、コミュニケーションの中での顔と身体表現の役割・機能・利用形態の通文化性と文化依存性について解明する。
メンバー構成
- 研究代表者:高橋康介(立命館大学総合心理学部・教授)
- 分担研究者:島田将喜(帝京科学大学生命環境学部・准教授)
- 分担研究者:大石高典(東京外国語大学大学院総合国際学研究院・准教授)
- 分担研究者:錢琨(福岡大学人文学部・講師)
- 研究協力者:氏家悠太(立命館大学OIC総合研究機構研究員・日本学術振興会特別研究員PD)
- 研究協力者:彭宇潔(立命館大学OIC総合研究機構専門研究員)